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生コンクリートとは?

1. 生コンクリートの呼称

生コンクリートは通称、生コンと呼ばれ、日本産業規格のコンクリート用語(JIS A 0203)では、“レディーミクストコンクリート(ready-mixed concrete)”と称し、「整備されたコンクリート製造設備をもつ工場から、荷卸し地点おける品質を指定して購入することができるフレッシュコンクリート」と定義している。

1949年11月に最初の定置式ミキサを設置した生コン工場ができたことにより、必要な時に必要な量の品質を保証されたコンクリートが、いつでもどこでも入手可能となり、需要増加の大きな要素となった。

現在、流通している生コンは、大半がJIS A 5308「レディーミクストコンクリート」に基づき製造され、生コンの商取引もこのJIS A 5308に基づいて行われている。

JIS A 5308の認証を受けた生コン工場では、

  1. 1JISに規定する製造設備により製造、検査設備により検査が行われ、原材料の受入・保管、コンクリートの製造・運搬・納入に至る全てのプロセスが管理され
  2. 2実務要件と資格要件を有する品質管理責任者が、品質保持に必要な技術的生産条件を満たす、社内標準化及び品質管理の組織的な運営を行い

購入者が要求する品質を満足する製品(生コン)が安定的に供給されている。

2. 生コンの価格

生コンの価格は、基準容積を1m3(立方メートル)とし、基準容積1m3当たりに使用する材料の単位量(以下、配合という。)に基づいて決められている。

また、生コンの価格は、基準となる配合の価格(以下、基準価格という。)を設定し、これと異なる場合に生じるコスト差を基準価格に増減する方法が一般的に取られている。この基準価格は、地域ごとに需要動向が異なるため、一律に決まった価格ではなく、地域ごとに異なっている。

3. 生コンの種類と品質

(1)生コンの種類と呼び方

JIS A 5308では、レディーミクストコンクリートの種類を“普通”、“軽量”、“舗装”、“高強度”の4種類のコンクリートに区分し、それぞれに粗骨材の最大寸法・呼び強度・スランプ又はスランプフローの組み合わせを示している(表-1参照)。ただし、高強度コンクリートは、表-1の○印と○印の間の整数、及び45を超え50未満の整数を呼び強度とすることができる。

表-1レディーミクストコンクリートの種類及び区分

コンク
リート
の種類
粗骨材の
最大寸法
mm
スランプ又は
スランプフロー
cm
呼び強度
18 21 24 27 30 33 36 40 42 45 50 55 60 曲げ4.5
普通 20, 25 8, 12, 15, 18
21
45
50
55
60
40 5, 8, 12, 15
軽量 15 8, 12, 15, 18, 21
舗装 20, 25, 40 2.5, 6.5
高強度 20, 25 12, 15, 18, 21
45, 50, 55, 60

※荷卸し地点での値であり、45cm、50cm、55cm及び60cmはスランプフローの値である。

JIS A 5308では、コンクリートの種類による記号、呼び強度、スランプ又はスランプフロー、粗骨材の最大寸法及びセメントの種類による記号を用い、図-1のように製品の呼び方を規定している。

図-1製品の呼び方

購入者は、要求する品質を基に、生産者と協議し、下記を指定のうえ、

  • セメントの種類
  • 骨材の種類
  • 粗骨材の最大寸法
  • アルカリシリカ反応抑制対策の方法

表-1より、

  • 呼び強度
  • スランプ又はスランプフロー

の組み合わせを選定し、図-1に示す製品の呼び方を指定する。

(2)生コンの品質

  1. 1呼び強度
    呼び強度は、生コンの商取引で使用する強度の略号で、無名数(無単位)である。生産者は、購入者が指定した呼び強度に単位(N/mm2)を付けた強度値を荷卸し地点で保証する。
  2. 2スランプ又はスランプフロー
    スランプ又はスランプフローは、フレッシュコンクリートの軟らかさ及び流動性の程度を表わす指標で、施工性に関係する。生産者は、購入者が指定したスランプ又はスランプフローを荷卸し地点で保証する。
  3. 3空気量
    空気量(連行空気)は、コンクリートのワーカビリティー、凍結融解抵抗性を大きく改善する。
    生産者は、空気量を荷卸し地点で保証する。
  4. 4塩化物含有量(塩化物イオン量)
    塩化物含有量(塩化物イオン量)は、コンクリート中の鋼材の腐食に影響し、コンクリートの剥落など、コンクリート構造物に損傷を与える可能性がある。生産者は、JIS A 5308で規定している塩化物含有量(塩化物イオン量)を荷卸し地点で保証する。